アラビアのローレンス
「アラビアのローレンス」を観ました。第一次世界大戦後の世界を決定づけた人物
先日、エリザベス女王がなくなりました。最長の在位期間を誇り、世界中から惜しまれたと伝えられています。しかし、彼女の死は間違いなく戦後の時代を画するものとなるでしょう。それはエリザベス女王の生き方や彼女の歴史的役割がそのようなものだったということではなく、大きく変化する中で、イギリス連邦が名実ともに崩壊の時期を迎えることになったということでしょう。イギリス連邦の構成国の中ですら、「イギリス連邦の存在意義は?」という問いかけに、明確に答えを出すことができなくなってきているのではないでしょうか。
イギリスは中東に責任を負わなければならない。
歴史映画館が時代の節目となる出来事を画いた映画を発掘し、時代背景と共にお贈りします。今回は第一次大戦後の中東世界を決定づけた大英帝国の帝国主義的野望を画いた「アラビアのローレンス」をお贈りします。
この映画は実在のトーマス・エドワード・ロレンス(Thomas Edward Lawrence、1888年8月16日 - 1935年5月19日)をモデルにしたもので、彼は大英帝国の命を受けて、オスマン帝国に対するアラブ人の反乱(アラブ反乱)を指導した人物で、良きにつけ悪しきにつけ、近代の大英帝国史上これほど大きな仕事を成し遂げた人物はいないと考える。
現在のアラブを含む中東情勢はローレンスによって決定付けられたといってもいい。それ故、今アラブに起こっているすべてのことに、 イギリスは責任を負わなければならない義務を負っていると考える。
この映画に出てくるローレンスの細かい所作をについては必ずしも史実とは言えないかもしれない。 しかしこの映画全体を通して、描かれている内容は、ほぼ忠実に史実に沿ったものと考える。 その意味でこの映画の歴史的役割はかなり高いものと受け止めている。
この映画の背景については、後ろの項目で語られるが、 オスマントルコは衰退するにつれて、それまで圧迫されていたアラブ民族が台頭し新しい勢力が築かれていく。 しかしそうした中にあって、大英帝国即ち現在のイギリスが自らの帝国主義的野望を貫徹するべくこの地に置いて画策をし、 中東の世界に混乱と不信を撒き散らしたことについては、100年経った今でも責任を負わなければならないだろう。
映画データ
監督 デーヴィッド・リーン
出演 ピーター・オトゥール, アレック・ギネス, アンソニー・クイン
ジャンル ドラマ, 歴史, 冒険, アクション, 軍隊・戦争
オーディオ言語 English
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ストーリー
1914年、第一次世界大戦が勃発し、アラビアはドイツと結んだトルコ帝国の圧政下にあった。英国は、ドイツ連合軍の勢力を分散させるため、稀代の天才戦略家ロレンスをアラビアに派遣する。
アラビ王族のファイサル王子の軍事顧問となったロレンスは、ハリト族のリーダー、アリや黄金を探し求めるアウダらとともに、独自のゲリラ戦法を駆使して反乱軍を指揮し、アラブ国民から砂漠の英雄とうたわれるようになる。
だが次第に自分が軍上層部に利用されていることを知り、アラブ民族もまた、部族間の対立からロレンスを裏切っていく・・・。
背景と見どころ
オスマントルコは13世紀に建国され、20世紀初頭までその巨大な権力をふるってきた。17世紀末から衰退に向かい、この映画の時代は、まさしく死に体の状態だあった。
オスマントルコは基本的には農業国であったが、その立地条件を生かし、長い間自給自足の体制をとってきた。周辺諸国で、産業革命がおこり、工業化の波が押し寄せたにも拘らず、その工業化の波に乗り遅れた結果、19世紀には立ち行かなくなっていた。
にも拘らず、過去の栄光にこだわり続け、当時事実上支配していたアラブ諸国にも独立の機運が高まっていた。大英帝国はその中東にくさびを打ち込むべく、ローレンスを派遣し、ものの見事にアラブの反乱を成功させた。
この映画の最期の部分では、主導権を勝ち取ったアラブの部族が抗争し紛糾する場面が出てくるが、それこそ、オスマン亡き後の中東の混乱を見事に表現しているといえよう。
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