2022年6月27日月曜日

ザ・ローマ 帝国の興亡 第1話「ネロ」:暴君は衰退の背中押す。古代ローマですら組織の自浄作用は機能したのに・・

ザ・ローマ 帝国の興亡 第1話「ネロ」

「ザ・ローマ 帝国の興亡(字幕版)」を観ました。今日もかつての「ローマ皇帝ネロ」が狂気に走り、悲惨な歴史を繰り返す
歴史映画館が時代の節目となる出来事を画いた映画を発掘し、時代背景と共にお贈りします。今回は「ザ・ローマ 帝国の興亡第1話「ネロ」」をお贈りします。

映画の紹介
 "狂気の暴君"誕生から、自殺に追い込まれた皇帝には何があったのか!
 紀元64年。ローマに起こった大火は市内のほとんどを焼き尽くした。

 この時までは、名君の誉れも高く、順風満帆に見られたネロにとって、この大火は大きな転機となった。
 皇帝ネロは市民のため帝国史上最大の計画を立てる。
 ネロは宮殿を解放し、大火災から市民を守る。市民の眼から見れば、このネロの行動は大いなる助けとして、拍手喝さいを浴びた。

そしてローマの復興に取り掛かる。ネロはもともと美的センスが高く、文化芸術に優れていた。この復興に際し、彼の美意識と自己満足力に火がついてしまう 。
 そして 暴君の 局面が大きくで前に出て、暴走を始める。皇帝としてはあまりにも純粋で、あまりに認識が強かったために、もはや国家予算も無視をし、周りとの軋轢もおかまいなく、自分の理想にのめり込んでいく。
 この映画はネロのこうした変節?をあぶりだしていく。それでもローマ元老院は機能していた。元老院はネロの暴虐を許さず、皇帝を追い詰めていく。



映画データ
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ローマ帝国の沿革
  1. 西洋古代最大の帝国。前8世紀ごろ、ラテン人がテベレ川下流域に建てた都市国家に始まる。
  2. 王政、のち共和政(前509~前27)を経て、前27年、内乱を収拾したオクタビアヌスの即位により帝政に移行。 最盛期の五賢帝時代(96~180)その版図は最大となり、東は小アジア、西はイベリア半島、南はアフリカの地中海沿岸、北はブリテン島に及ぶ大帝国となった。
  3. 2世紀末から衰退し、395年東西に分裂。東ローマ帝国は1453年まで続くが、西ローマ帝国は476年、オドアケルに滅ぼされた。
  4. 学術・芸術ではギリシャの模倣の域を出なかったが、法制・軍事・土木面にすぐれ、後世に大きな影響を与えた
  [補説]帝政開始から西ローマ帝国の滅亡までを古代ローマ帝国、それ以降を中世ローマ帝国とも称する。



第5代ローマ皇帝ネロ(紀元37~68)
  • ネロ・クラウディウス・カエサル・ドルスス・ゲルマニクス(Nero Claudius Caesar Drusus Germanicus)はローマ帝国・第5代皇帝。
  • 54年、ネロ(16歳)即位して皇帝になる
  • ネロの治世初期は、名君の誉れが高かった。
  • 西暦64年7月18日、皇帝ネロ時代のローマ帝国の首都ローマで起こった大火災が発生。
  • ローマの大火後にネロが陣頭指揮した被災者の救済やそのための迅速な政策実行、ローマ市の再建は市民に受けがよかった。「人間の知恵の限りをつくした有効な施策であった」との記録もある。 
  • 当時のローマ市内は木造建築がメインだったが、大火以降にネロが建築したドムス・アウレア(黄金宮殿)は、ローマン・コンクリートの普及に一役買っている。
  • また、ネロがローマの大火以降行った貨幣改鋳は、その後150年間も受け継がれた。ただし、この大火もネロ自身が裏で暗躍し、自分好みの街を作りたかったという望みから起こされたという説もある。
  • 復興のための財政が破綻したが、さらに収奪と圧政を続けたため、市民の反感を買い、自殺に追い込まれる。
  • 背景と見どころ
     ネロも最初から暴君ではなく、当初は名君の誉れも高かった。しかし多くの暴君が全く同じような推移を辿り、破滅や自滅に追い込まれていく。

     歴史は繰り返すというが、なぜこのような過ちが繰り返されるのか。歴史は繰り返し繰り返し学び、そして何より大事なことは失敗を失敗でもそれを記録に残すということである。

     今日の地球上でも、なんと暴君といわれる権力者が多いことか、彼らは一様に自らの権力基盤を固めるために、民主主義の仕組みを無視し、破壊する。またそのような権力者の下で、人びとが苦しみ喘ぎ苦闘せねばならない。人間はおろかだ・・・。





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    2022年6月24日金曜日

    「エリザベス (字幕版)」:大英帝国の確立はこのエリザベス一世の業績だ。今のイギリスはこの大英帝国の残渣にも責任を負わなければならない 

    エリザベス:大英帝国の確立の軌跡を見る。その大英帝国が世界に何をしてきたか?

    「エリザベス 」を観ました。
     この映画を見て、感じたことは、映画の中で、個人が確かな存在感を放っていることです。日本のこの種の映画にあるような雄たけびがなく、イデオロギーの押し付けもないということでした。映画では貴族の乱れた生活も描き出され、セックスをタブー視しない風潮が現実にあったのではないかと感じられるほどでした。もちろんこの映画が当時の生活をありのままに表現していることを認めるわけではありませんが、日本の映画にあるような怒鳴り合いは別の映画でも見られず、イギリス社会の成熟さを表すものと考えていいのではないかと感じます。

     エリザベス王朝がここに掲げるように比較的安定した王権と諸侯との間のバランスの上に立つことができたのは、イギリスが一定の民主化の過程を経ていたからである。
    現在のイギリスは、この映画にあるエリザベス一世のときに、間違いなくその基礎は築かれたことが分かる映画でした。

    イングランドの王権の制限と一定の民主化の過程
    1. マグナカルタ(Magna Carta)
      1215年、イングランド王ジョンが貴族たちに強制されて承認した特許状。イギリス憲法を構成する重要文書の一つ。「大憲章」と訳される。前文と六三条から成り、国王の徴税制限、人身の自由、不当な裁判による逮捕・財産没収・追放の禁止などを骨子とする。本質的には王権の制限、貴族の特権の確認で、一般人民の自由を規定したものではない。


    2. これ以降はエリザベス王朝以降の出来事である。

    3. 清教徒革命またはピューリタン革命
      清教徒革命またはピューリタン革命は、狭義には1642年から1649年、イングランド・スコットランド・アイルランドで起きた内戦・革命である。 背景は封建領主制からブルジョワ的土地経営に様変わりしたことが原因としてあげられる。すなわち、農民は土地に縛り付けられた封建的土地制度による耕作ではなく、商契約に基づく労働としての耕作(すなわち農業労働者という方向に徐々に変貌してゆく。

    4. 名誉革命
      1688年から1689年にかけて、ステュアート朝のイングランドで起こったクーデター事件である。
      種類 無血クーデター
      目的 復古王政の専制打倒、カトリック勢力の排除、イングランドの対仏同盟から対蘭同盟への切り換え
      対象 ステュアート朝
      結果 メアリー2世とウィリアム3世の即位、権利の章典の発布、立憲君主制及び議会制民主主義の確立、英仏軍事同盟の解消と大同盟戦争・第2次百年戦争の開幕


     歴史映画館が時代の節目となる出来事を画いた映画を発掘し、時代背景と共にお贈りします。今回は「エリザベス 」をお贈りします。

     このブログの使命は、時代の画期を成す映画を紹介することですが、このエリザベスについては、大英帝国の黄金期を築いた女王としてその功績はあまりい大きいため、映画の紹介でだけではなく、エリザベス女王の時代をできるだけ深堀したいと思います。乞うご期待!!


    映画の紹介
    エリザベス (字幕版):

    アカデミー賞受賞ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュ、リチャード・アッテンボローがオールスターキャストを率いて演じるエリザベス女王の史劇。

    映画データ
    DVDサイズ ‏ : ‎ 30 x 10 x 20 cm;
    監督 ‏ : ‎ シェカール・カプール
    時間 ‏ : ‎ 1 時間 55 分
    発売日 ‏ : ‎ 2012/4/13
    出演 ‏ : ‎ ケイト・ブランシェット, ジェフリー・ラッシュ, クライヴ・オーウェン, サマンサ・モートン
    販売元 ‏ : ‎ ジェネオン・ユニバーサル
    ASIN ‏ : ‎ B006QJSCRM
    原産国 ‏ : ‎ 日本
    ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
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    ストーリー
    出生と育ち
     ヘンリー8世と2番目の妃アン・ブーリンの子。1536年母が陰謀によって、反逆罪の汚名を着せられ火あぶりの刑によって刑死し、非嫡出子とされたが,44年には姉の病死により王位相続権を認められた。ルネサンスの影響下に成長し,幼時から聡明をもって聞こえた。
    即位後の業績
     即位後、各国からイングランドの簒奪を狙う、政略結婚の求婚者を退け独身を言明し,他国の干渉を退けることに苦労した。またローマカトリック教会はイングランドが、カトリックから離脱し、イギリス国教を設立したことにはげしく反発し、エリザベス廃位の策謀をめぐらした。

     エリザベスはこうした圧力や干渉を撥ね退け、59年には礼拝統一法を発布して,英国国教会を確立した。(今の感覚でいえば、ファッショそのもの)また他国の新教徒を援助する一方,両カトリック大国フランスとスペインの対立を巧みに操った。

    大英帝国の確立
    そうこうするうちにも、スペインからの圧力はますます高まり、ついに1588年オランダ独立を支援する名目で、スペインとの間にアルマダの海戦を開くこととなった。こうしてスペインの無敵艦隊を破ったことで、イングランドの国威は大いに上がり、本格的な大英帝国の時代に突入する。

    大英帝国の発展力の源泉
     エリザベスは即位したイングランドは 軍事力に置いても財力においても当時のヨーロッパ社会の中でかなり見劣りをするものだった。 エリザベスは自国を取り巻く状況を冷静に判断をし、自国がこの弱肉強食の世界で生き抜くためにはできるだけ他国との無益な摩擦を避けて、イギリス帝国の力を温存することでした。彼女は、東インド会社を設立し貿易を盛んにし、同時に封建的土地制度から絶対主義的な所有形態を引き込んで、合理性の力を借りて産業を育成する事だった。もちろん経済が土台にあることから生産方式の変化や都市の商工業の発達がベースにあって、エリザベスはそれをうまく取り込む形で執政を巧みにこなした方ではなかったろうか。
     イングランド帝国の国の確立は将にエリザベスの自主独立の意志と他の強国に対する強い外交力と徹底した合理性の賜物であったということができるのではないかと思われる。

     また私は、彼女が女王であったが故に、既成概念にとらわれず、逆に自由に発想ができたのも幸いしているのではないかと思う。!! 



    背景と見どころ
     エリザベス一世は1558年に即位して、1603年にこの世を去っている。 世界(15世紀末に世界といってもヨーロッパの世界のことであるが、)はスペイン神聖ローマ帝国、フランス、イギリスの四つの国家がしのぎを削っていた。最も強大であったのは神聖ローマ帝国であり16世紀の初めにはカール5世が専制を行っている。一方フランスでは、フランソワ一世、イギリスではヘンリー八世が統治をしていた。ヘンリー八世はローマ法王とプロテスタントからの干渉を嫌って、イギリス国教会を設立し、イギリス絶対王政を確立していた。
     その具体的な法的基盤は国王至上法(首長法)が法的な礎となっている。エリザベス一世はヘンリー八世の死後を受けイギリス国家権力確立のために力を注いでいる。

     しかしながらこの当時はイギリスはまだ弱小国であり、スペインとフランスとの間に挟まり、 その独立性を維持するのに四苦八苦していた。16世紀半ばにはスペイン絶対王政の最盛期を迎え、無敵艦隊を擁し、世界中に植民地を築き、世界中の富を欲しいままにしていた。フランシスコザビエルが日本に布教の為入ってきたのもこのころである。16世紀末にはオランダ連邦が独立宣言を行い、フランスにおいては、アンリ4世、ルイ13世・14世というフランス絶対王政の最盛期を迎えるに至る 。

    エリザベス1世の時代にはまだ植民地を持っておらず弱小国であったが、エリザベス一世は列強の間でバランスをとりながら中立を守り世界の植民地支配に乗り出して行く。エリザベス一世はこのようなイギリスの黄金期を迎える基礎を築いたと言える。

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    2022年6月23日木曜日

    宇宙から見た第二次世界大戦:今でも愚かな歴史を繰り返すロシア。人間は回虫にも劣るのか? 地球を滅ぼすのか

    宇宙から見た第二次世界大戦

    「宇宙から見た第二次世界大戦」を観ました。
     宇宙からという視点で第二次世界大戦を跡付けたもの。
      いままたウクライナに強大国のロシアが攻め込んでいます。歴史は繰り返すの感がさらに強まりました。人間はいつまでこのおぞましい歴史を繰り返すのか。


    歴史映画館が時代の節目となる出来事を画いた映画を発掘し、時代背景と共にお贈りします。今回は「宇宙から見た第二次世界大戦」をお贈りします。

    映画の紹介
    宇宙から見た第二次世界大戦
    今までなかった方法で第二次世界大戦の転機を振り返る。地球上空を飛行する衛星から世界をみるという視覚的に新しいアプローチで史上最大の戦争に迫る。



    映画データ
    1時間28分
    2012
    監督 SIMON GEORGE
    ジャンル アクション、ドキュメンタリー
    オーディオ言語 English



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    ストーリー
    これはドキュメント映画であるから、ストーリーはない。
     第二次世界大戦を宇宙からの視点で、ヨーロッパ戦線と太平洋戦線の二つに焦点を当てて、振り返る。出演は軍事評論家意外にアメリカの現役の高級将校が解説する。



    背景と見どころ
     第二次世界大戦当時に、宇宙の領域まで到達したのは、ドイツの開発したU2ぐらいのものだ。これとて、所詮は「弾」であって、ここで取り上げたように俯瞰できるものではなかった。
     その新しい最新鋭の技術で、第二次世界大戦を見たとき、眼下で繰り広げられていたのは、物量戦であり、肉弾戦であり、そして精神論がまだ大きく作用する、まだ人間臭い闘いであった。
     その時代から現在に視点を移した時、技術的には人間の手を離れた領域で戦われている。まず最初には核である。またドローンをはじめとするロボットであり、戦場の外で戦われる戦闘や各種情報戦である。このようにいわば、人間という実物が介在しない武器を使って、人間の社会の支配権を奪い合う、まさに非人間的な戦争になってしまった。しかも、その結果は地球自体を破滅させる規模で行われている。

     例えば回虫が人間の体の中に生息した場合にそのその宿主である人間の体あるいは人間自体を破滅に至らしめるようなことはしない。 なぜならもしそのような状態に至った場合に回虫自体の生存もできなくなるからである。
      回虫ですらそのような本能あるいは自制が働くにもかかわらず、人間には働かない。今や人間はいわば回虫にも劣る存在となっている。

     しかし現実がそうなってる以上、破滅を回避するための行動は取らねばならないだろう。 それは回虫が本能的に生きているように我々の本能を働かせて行かねばならないと思う。 その本能とは何かそれは生態系を破壊しないということである。
     地方の限定的な紛争まだ病気として片付けられるかもしれないが、現代における第二次世界大戦以降の戦争はもはや地球全体を滅ぼしかねない事態である。
       このためにまず第1になすべきことは戦争を止めること、つまり停戦である。 まず最初に当事者に停船させ、次に交渉のテーブルにつくことである。

      利害の反する、 当事者をテーブルにつかせることは現在の国連機能では難しい。 そのために 国連の機能を飛躍的に強化することである。 常任理事国の権限を制限し、現在の軍縮会議のような機能をさらに強化することである。

     今までは人間は回虫にも劣る愚かな歴史を繰り返してきた。今までは、曲がりなりにも、地球は破滅させずにすんでいた。しかし今の事態は異なる。
     人間の拡大再生産の自動化のシステムは極限に達し、自らの生存すら脅かすものとなっている。

     この国連改革のためには今までのような弱肉強食の資本主義社会自体を大きく変えればならない。企業は抵抗するかもしれないが、企業を殺してしまうということではなくてそれを全体に奉仕させるそのために、自分自身も生き残る地球の保持するということを考えればな理想的には口では言えるかもしれないが、一見実現不可能かもしれない。しかし今なさねば中で地球は滅びる。 またこの国連改革の際に気をつければならないことは、国と言う概念自体も捨てればならないかもしれない。
     という概念にとらわれている限り、第二のヒットラー、第二のプーチンが現れるであろう。 あるいはまったく種の異なる、価値観も異なる気違いが出てくるかもしれない。

     


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    2022年6月20日月曜日

    「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」:日本の佐藤内閣の沖縄返還かかわる沖縄密約事件とのあまりに鮮やかな対比

    ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

    「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を観ました。すばらしい映画です。感動しました。
    歴史映画館が時代の節目となる出来事を画いた映画を発掘し、時代背景と共にお贈りします。今回は「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」をお贈りします。
     泥沼化していたベトナム戦争でアメリカが勝利する見込みが無いにも関わらず、歴代大統領は国民に戦争の状況を知らせないまま、至上命令として戦争を続けていたことを示すアメリカのペンタゴンの最高機密文書が暴露されたことに端を発する。

      このことは当然のこととして、激しい国民の怒りを買い、焦ったニクソンはウォーターゲート事件を起こし、失脚する。

     この映画のすばらしさは、アメリカの新聞社が国民の知る権利を掲げて、敢然と権力に抗して闘い抜いたことである。そしてさらに、アメリカの司法が、三権分立の立場を堅持し権力におもねることなく、国民の知る権利を擁護する立場に立ったことである。さらに、国民がマスコミと司法をきちんと守ったことである。

     これとまったく同じようなことが、日本でも起こったが、日本の司法をマスコミは国民の知る権利を守れず、権力を擁護する立場に終始したことは後世に大いなる禍根を残すものとなった。その禍根は今なお続き、日本の民主主義は今や死に体となっている。



    映画の紹介
    1971年、アメリカのベトナム侵攻は泥沼化し、国際的にも批判が高まり、アメリカ国内でも反戦の気運が高ま利を見せていた。国防総省はベトナム戦争について調査・分析する文書を極秘裏に作成していたが、ある日、その文書が流出し、ニューヨーク・タイムズが内容の一部をスクープした。
     それは7000枚に及ぶ膨大な量であるが、ニューヨークタイムズでは、自らの生命とジャーナリズムの使命をかけ、厳しい選択を迫られていた。果たして、その決断とは・・?



    映画データ
    ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (字幕版)
    1時間56分
    2018
    監督 スティーヴン・スピルバーグ
    出演 メリル・ストリープ, トム・ハンクス, サラ・ポールソン
    ジャンル 外国映画
    オーディオ言語 English




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    ストーリー
     ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書が暴露され、それに触発され、アメリカの多くの新聞社も情報の公開と政府の責任を求めて立ち上がるうねりが沸き起こる。そしてそのうねりはついにニクソンをしてウォーターゲート事件を引き起こすところまで追い込んでゆく。


    背景と見どころ
     本筋は、 ニューヨーク・タイムズの女性の社長が当時の社会の風潮に抗して権力に戦いを挑むということではなくて(もちろんそのこともこの映画の主張を構成するものではあるが)、 新聞の使命が国民の利益に対して国民の利益のために行動することに徹するべきだというところにあると思う。
    この映画の素晴らしいところは問題の本質を隠すことなく新聞社の使命をまっ正面から捉えて闘いに挑む姿を描いたことである。それに加え、アメリカの司法が権力から独立しており、 国民の知る権利と民主 主義を 擁護する立場を貫いたことである。
      私はもし同じような事件が日本であった場合、日本の新聞はニューヨークタイムズやワシントンポストのように毅然として国民の側に立ち行動を起こしたであろうか大いに疑問を持つものである。
     もちろんこのことは新聞社のみの責任ではなく、国民の一人一人が自由と民主主義のために自覚し権力に対して、自分の立ち位置をしっかりと認識しているかどうかに関わる問題である。
      また同時に日本の裁判所が、三権分立の立場を貫き通すだけに成熟しているかの問題もある。日本の民主主義の脆弱さも対比して明らかになっているのではないだろうか。
      私たちはアメリカの新聞社の素晴らしさをただ賞賛するのではなく、自分自身の問題として日本の民主主義を支える行動と意識を持たなければならないと思う。





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    2022年6月12日日曜日

    「ヒトラー 最期の12日間」:ヒットラーは自分を祭り上げ自分を見失った そして今プーチンもヒットラーの後を追う

    「ヒトラー 最期の12日間」:神格化は人間性の否定の極致


    「ヒトラー 最期の12日間」を観ました。個人崇拝、神格化を許した民族はいつか絶える
    歴史映画館が時代の節目となる出来事を画いた映画を発掘し、時代背景と共にお贈りします。今回は「ヒトラー 最期の12日間」をお贈りします。 
      1933年に首相に指名され、政権をとって以来、1944年に至る11年間、彼はヨーロッパを蹂躙し続けた。その大義は、ユダヤ人と共産主義に対する計り知れない憎しみに貫かれている。彼が、そこまでの憎しみを抱く理由は一体どこにあるのだろうか。


    映画の紹介
     1945年4月20日、ベルリン。敗色濃い中でヒトラーは攻撃を避けてドイツ首相官邸の地下要塞に退避していた。
     味方すら敗戦を疑うものはいなかったが、もはやヒトラーは正常な感覚を失っていた。
    この時点で配下の将軍たちの間にも敗北は免れないとの認識に至っており、これ以上の犠牲を避けるために幾度も降伏を進言していた。しかしヒトラーはあれこれの希望的観測を述べ降伏を認めようとしないばかりか、更なる戦略を繰り出すが、もはや誰もそれを実行に移そうとしない。
     これは、日本で、御前会議で「もう人戦果を挙げてから」と決断を先延ばしにし、アメリカの攻撃のほしいままにさせた状況と極似している。

     戦争を唯一止めることができるのは、一義的にはドイツや日本のように仕掛けた仕掛けた側にありと考えるが、圧倒的に戦局を握っている側は、犠牲を最小限に抑えるために、終結する方策をとることが大切なことであることと考える。。



    映画データ
    【キャスト】
    ブルーノ・ガンツ
    ユリアーネ・ケーラー
    アレクサンドラ・マリア・ララ
    トーマス・クレッチマン
    コリンナ・ハルフォーフ
    ウルリッヒ・マテス

    【スタッフ】
    監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
    製作・脚本:ベルント・アイヒンガー
    撮影:ライナー・クラウスマン

    音楽:ステファン・ツァハリアス


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    ストーリー
     この映画は、ドキュメンタリーであるので、ストーリーは基本的にはない。

    あれだけ大きな犠牲を払っても成し遂げるべきものは一体なんだったろうか
     ベルリンが包囲されても、国民の生命等には何の関心もなく、ヒトラー自身の妄想とプライドだったことがヒットラーの独白から明らかにされる。
     労働者による国家社会主義(この用語は後に、『国民社会主義』に訂正されている)を掲げたナチスが、結局国家社会主義という理念は途中でどこかに吹っ飛んでしまった結果、第三帝国の妄想に燃える総統への個人崇拝、何よりも秩序と規律を重んじる組織の暴走が始まる。
     そしてアーリア民族の純血性、国民全体が運命共同体であるという一面的な押し付け、何の具体性もなく、単なるヒットラーの気違いじみた妄想であったことが全編を通して明らかにされる。
     ここにいうヒットラーの思想に人々はなぜこうも傾倒したのか。

     ヒットラーのいう、国民社会主義の理想とは一体何だったのか、そして民主主義の前提とは、国民一人一人が歴史を学び、真実を思い知る事からだと、痛いほどリアルに教えてくれる。

    歴史は繰り返す。今また同じことが繰り返されている。
     ロシアのプーチンはウクライナにナチスの幻影を見て、その打倒を叫んで全世界の人々を飢餓のふちに追い込もうとしている。
    プーチンの周辺から漏れ出てくる片言隻語に、「帝政ロシアの復活」が、聞かれるが、彼の理想や、思想がどんなに高大であったとしても、そのために世界中の人々を飢えに曝すことはどう考えても釣り合わない。

    背景と見どころ
      ドイツと同じく戦争を仕掛け、敗戦してしまった点で同じ道筋をたどったといえる。指導者といえども、いや指導者だからこそ誤りを起こすものだ、われわれは疑ってかからねばならない。ヒットラーの言うように国民は指導者に全てを委任してはならない。国民の意志にから離れたならば、直ちに指導者を引きずり落とす勇気を持たねばならない。その勇気と仕掛けを確保する保証が民主主義なのだ。

    歴史は繰り返す
     私たちに求められるのは、歴史を知り、解釈するだけではなく、自分の問題として、過去の過ちを繰り返さないよう行動することなのだ。私たち一人一人の責任において!




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    2022年6月8日水曜日

    映画「激動の昭和史『軍閥』」の教訓:われわれはかつての苦い経験から何を学ぶのか

    激動の昭和史 軍閥

    「激動の昭和史 軍閥」を観ました。
    歴史映画館が時代の節目となる出来事を画いた映画を発掘し、時代背景と共に、「激動の昭和史 軍閥」をお贈りします。 この映画を見て私の率直な感想は、「たとえようもない悲しさ」です。

     映画の紹介
      激動の昭和史 軍閥
     二・二六事件を契機に軍部の力が増大した。近衛内閣を崩壊に導き、東条内閣をある意味強引に成立させ、太平洋戦争へと突入していく日本の近代史を我々の前に再現させた。「軍閥」と呼ばれる軍上層部のグループが力を持つに至った事実を明らかにするとしているが、軍閥は軍そのもので、何故特別な存在として扱うのか。軍閥という「閥」ではなく、日本の支配機構そのものであったといえる。

    この映画は、政治の流れは細かく表現されているが、国民の動き、世相なども含め、どうして戦争へ向かうようになったのか、止めるという力は働かなかったのかを画いて欲しかった。






    映画データ
      ☆東宝DVD名作セレクション 第2弾☆
    2015年は戦後70周年。
    第2弾は戦記作品23作品をラインナップ!
    なぜ、誰が、太平洋戦争を起こしたのか!
    謎に包まれる太平洋戦争の全貌が、今白日の下に晒される!
    【キャスト】
    小林桂樹/加山雄三/黒沢年男/三橋達也/山村聡/三船敏郎
    【スタッフ】
    監督:堀川弘通 脚本:笠原良三 音楽:真鍋理一郎
    【DVD 仕様】
    ジャンル ドラマ, 軍隊・戦争
    オーディオ言語 日本語
    2時間13分/カラー/シネスコ/片面2層/音声:日本語モノラル/字幕:日本語/1971年



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    ストーリー
     2.26事件から原子爆弾投下までの、日本軍内部の動向をドキュメンタリータッチで追う。

     2.26事件、柳条湖事件、盧溝橋事件、満州事変、などの出来事が軍隊内部の抗争、勢力争い、御前会議などが一応語られている。しかし、もう少し掘り下げて欲しかった。



    背景と見どころ
     ここで交わされた会話の殆どが帝国軍隊の内部のものであるが、この映像を見て感じることは、「なんと怒鳴り合いが多いことか」そして「なんと自己主張が多く、客観的な会話がないことか」である。

      映画だからかも知れないが、この類の映画にはほとんどこういった感想を持つので、おそらくこの感想は当時の時代を正しく反映していると思う。

     日本国民に重大な影響を与えるであろう方針決定の場が、このように冷静さや客観性を欠いた会話では、まともな判断を下すことは不可能だろう。 これはこの映画のコメント欄でも多くの方々が言っておられるように、軍隊だけの問題でなかったろう。それは、日本国民が陥っていたある種の精神状態ではなかろうかと思う。 精神の高揚状態が常にある状態、即ち集団的ヒステリー状態にあったと言っても過言ではないだろう。
    今日問題となっている『あおり運転』が、悲しいかな国家全体で行われていた状態にあったのではないだろうか。

      このような白熱した議論は、いかにも威勢がよく、一生懸命になっている感を持っているが、ある意味実に滑稽である。本当に自分の意見が正しいと思うならば、その根拠を丁寧に説明し、相手の意見も聞きその問題点を出すべきであるにもかかわらず、相手の意見を遮り、自分の意見を主張する。日本は昔からそのような短兵急な態度が男らしいと評価されたであろうが、そろそろ成熟した議論がなされてもいいころだろう。もしそうだとすれば、その「男らしさ」そのものに問題があるといわねばならないだろう。

     戦前の帝国軍隊の内部がそのような気風に満ち満ちていたとすれば、ある意味負けて当然であったといわざるを得ない。敵を知ることなしに戦いに勝つことはできない。





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    2022年6月5日日曜日

    ウィンストン・チャーチル  ヒトラーから世界を救った男:戦時下では妥協は許されなかった

    ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

    「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」を観ました。
     歴史映画館が時代の節目となる出来事を画いた映画を発掘し、時代背景と共にお贈りします。今回は「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」をお贈りします。
     チャーチルが『世界を救った』英雄として美化されるが、ヒットラーとの戦いは歴史上ではほんの一瞬でしかなかったこと。
     戦後処理の舞台では、世界を自分勝手に捌いた冷酷な帝国主義者以外何物でもなかったことを見逃してはならない。

     私はこの映画を観るまでは、イギリスに対して偏見を持っていた。 イギリスという国はそもそも大英帝国の創始国で宗主国であり、世界に冠たる帝国を築いていた。
    その植民地政策の中でしてきたことは一体何だったのかとても心から喜べるものではありません。 インドで何をしたか、中国で何をしたか、アヘンでもって中国に何をとしたか、中東で彼らは何をしてきたか、そしてアフリカで何をしたか、その悪逆非道にはとても良い感情を持てるものではない。

      しかし、それまでの数々の悪行を一旦忘れて、純粋にヒットラーに対してイギリスはどうであったかという歴史的評価をしなければならない。
    第二次世界対戦前夜、全ヨーロッパはヒットラーに蹂躙され、 ほとんど壊滅的な状態にあったのは確かだ。 その中で、ソビエトとイギリスの二つだけがかろうじてヒットラーの侵略に耐えていたと言えるでだろう。

      チャーチルは徹底した反共主義者であったと言われるが、ヒットラーに対してだけは、相対的な意味で一定の進歩的な側面があったと言えるでしょう。

     以上の観点からチャーチルの役割をヒットラーとの闘いに限定をしてこの映画を見る限り、私は彼は確かなリーダーであった事実は評価せねばならない。
     しかし、この限定を外してしまえば、チャーチルは大戦後、『世界を救った』リーダとの評価には値しないと思います。


     絶体絶命の状況下での首相就任からダンケルクの戦いまで―伝説のリーダーの知られざる27日間を描く、 圧倒的迫力の映像と緊張感で描ききった第一級のサスペンス!
    「あのヒトラーを怯えさせる男」と言われたカリスマ性、数々の名言で人々に希望を与える一方、癇癪持ちで酒癖の悪い人間臭さ・・・。

    そんなチャーチルが、最大の国難に苦悩した27日間を、迫力の映像と緊張感をもって描ききる歴史エンターテインメント!
    圧巻の名場面が、終盤の、チャーチル=ゲイリー・オールドマンによる、約4分間にもわたる演説シーン。息をのむ緊迫感で、観るものを痺れさせる!


    映画の紹介
     本年度アカデミー賞2部門受賞作 主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)、メイクアップ&ヘアスタイリング賞(辻一弘 他2名)


    政界一型破りな男が、世界を変えた。 ダンケルクの戦いの裏で下された、歴史的決断とは──。
     メイクに200時間以上かけて外見も内面もチャーチルになりきった。

    名優ゲイリー・オールドマンの、渾身の演技は必見!
    そして、見事アカデミー賞を獲得した特殊メイクアーティスト 辻一弘は、一躍、時の人に!

    ゲイリー・オールドマンが、「彼が自分をチャーチルにしてくれるのであれば、演じられる」と、
    辻一弘に直々にオファーしたというエピソードは、今年の映画界の話題の、間違いなくひとつになった。



    映画データ
    【スタッフ】
    監督 :ジョー・ライト(『プライドと偏見』『つぐない』)

    脚本・製作 :アンソニー・マクカーテン(『博士と彼女のセオリー』)
    プロデューサー :ティム・ビーヴァン(『裏切りのサーカス』『ベイビー・ドライバー』)他
    撮影 :ブリュノ・デルボネル(『アメリ』『ハリー・ポッターと謎のプリンス』)
    プロダクションデザイナー :サラ・グリーンウッド(『つぐない』『美女と野獣』)
    衣装 :ジャクリーン・デュラン(『アンナ・カレーニナ』『美女と野獣』)
    音楽 :ダリオ・マリアネッリ(『プライドと偏見』『つぐない』)

    特殊メイク、ヘア&メイクデザイン(ゲイリー・オールドマン):辻一弘(『グリンチ』『PLANET OF THE APES/猿の惑星』)

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    ストーリー
     1940年、第二次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。 連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれるなか、ヨーロッパの運命は、 新たに就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手に委ねられた。 度重なる失策から“政界一の嫌われ者"であったチャーチルは、政敵たちに追いつめられながら、 ヨーロッパのみならず世界にとって究極の選択を迫られる。 ヒトラーに屈するのか、あるいは闘うのか・・・。


    背景と見どころ
     日本とイギリスのチャーチルと比べた場合に、チャーチルと妻との会話と同じような対等な会話が日本でなされていただろうか、まだ国王とチャーチルの会話と同じような会話は天皇と東条英機との間では決してなされなかったであろうこと等、決定の瞬間よりも、決定に至るまでの過程がもっと大事ではなかったかと思える。

     また日本の当時のような単細胞的で剛直なものの考え方は、国民の命を握るキーマンであれば尚更あってはならないことだと思う。
     国が戦争のような極限の状態に置かれた場合に、権力者を突き動かすのは結局のところ、国民一人一人の力に依存すると思う。だからこそ、

    国民一人一人の考えが、トップの人間に行き届く在り方が民主主義なのではないだろうか。
     




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